会見録20110902野田内閣総理大臣の1
[SOURI1.902] /2011/09/02/
〓〓〓〓〓朝日新聞《速報!!記者会見》テキスト〓〓〓〓〓
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◆野田佳彦・内閣総理大臣◆
2011年9月2日(金) 17:00--17:42 首相官邸
※長文のため4分割してお届けします。これは「その1」です。
◇震災からの復旧・復興――福島の再生なくして日本の再生はない
◇世界経済危機――国家自体の信用危機に陥る事がないよう対応策
◇財政健全化――現実主義の対応、バランスとるやり方堅持したい
☆課題と政治姿勢☆
【総理大臣】本日、天皇陛下の親任をいただきまして、正式に内閣総理大臣に就任をさせ
ていただきました。国民の皆様に、私の野田内閣が取り組むべき課題と、そして私の政治
姿勢についてお話をさせていただきたいというふうに思います。
まずは、本論に入る前に、3月11日に発災をいたしました、東日本大震災において、
尊い命を失われた犠牲者の皆様に心からご冥福をお祈りしたいと思います。また、いまだ
なお不便な避難生活を余儀なくされている被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げたい
と思います。
ただいま、お悔やみとお見舞い申し上げました、この震災からの復旧・復興。私ども内
閣については、菅内閣に引き続き、最優先の課題であるというふうに思っております。こ
の震災の復旧・復興。これまでも政権として全力で取り組んでまいりました。しかし、仮
設住宅の建設であるとか、瓦れきの撤去。あるいは被災者の生活支援。一生懸命取り組ん
でおりますけれども、まだ不十分というご指摘もいただいております。こうした声をしっ
かり踏まえながらですね、復旧・復興の作業を加速化させていくということが私どもの最
大の使命であるというふうに思います。
加えて、何よりも最優先で取り組まなければいけない課題は、原発事故の1日も早い収
束でございます。福島原発の炉の安定を確実に実現をしていくということと、原発周辺地
域における放射性物質の除染が大きな課題でございます。第一次補正予算、第二次補正予
算、それぞれ除染については対応してまいりました。しかし、より緊急に、より大規模に
、その除染を推進をするために、まず予備費の活用をさせていただき、そして引き続き、
東日本の大規模な除染を、国が先頭に立って、省庁の壁を乗り越えて、実施をしていく必
要があると考えております。
また、特にチルドレン・ファーストという観点から、妊婦、そして子供の安心を確保す
るために、全力を尽くしていきたいと考えています。代表選挙のときにも申し上げさせて
いただきましたけれども、福島の再生なくして、日本の再生はございません。この再生を
通じて、日本を元気にするとともに、国際社会における、改めて信頼をはかるという意味
からも全力で取り組んでいきたいと考えております。
☆世界経済危機への対応☆<3分36秒>
もう一つ、大事なことは、世界経済におけるさまざまな危機における対応でございます
。私は、産業空洞化の回避、エネルギー制約の中での経済の立て直し、加えて、震災の前
からの危機、財政の危機にしっかりと対応することによって、国家自体の信用危機に陥る
ということのないように、すべての危機に対応策を講じていきたいと思います。
まずは、歴史的な円高で、空前の産業空洞化の危機を感じざるを得ません。財務大臣の
ころから、必要なときにはさらなる為替介入も辞さずとの姿勢で、各国と連携をしてまい
りました。これからも各国ときっちりと連携をしながら対応をさせていただきたいと思い
ますが、国内的に円高対策は待ったなしの状況だと思います。
立地補助金の拡充。昨年来、経済対策の一環として約1400億円規模の立地補助金を
講ずるということをやってまいりましたけども、さらなる拡充が必要であるというふうに
認識をしています。そして、この円高、デフレの中で呻吟をしている、特に資金繰りでお
困りになっているたくさんの中小企業があると思います。中小企業の資金繰り対策などの
経済対策を果敢に実行をしていきたいと思います。
あわせて円高。もちろん、今の震災から立ち直ろうとしている日本経済に……経済の実
態からも、あるいは金融面からも悪影響が出つつありますけれども、一方で円高によるメ
リットというものもあります。先般、海外の資産や、あるいは企業を買収するようなこと
ができるような1000億ドルの対策も講じましたけれども、こうした円高メリットも活
用するような対策も引き続き講じていきたいと考えております。
☆エネルギーの制約克服☆<6分06秒>
次に、エネルギーの制約克服についてでございます。電力は経済の血液であります。国
民生活の基盤であります。ことしの夏の計画停電を回避できたのは、産業界の皆さん、そ
して国民の皆様の節電のおかげでございました。短期での需給不安を払拭しながらも、中
長期的な電力・エネルギー計画を見直しをするということに取り組んでいきたいと思いま
す。当面はストレスチェック等々踏まえて、安全性をきっちりと確保しながら、地元の皆
様のご理解を前提に、定期検査の原発を再稼働、既定方針に従い、安全規制は保安院を経
産省から分離。ま、こうした体制づくりをしっかりと行っていきたいと考えております。
財政健全化については、待ったなしの状況です。ただし、私は決して財政原理主義者で
はありません。現実主義の対応をさせていただきたいと思います。成長なくして財政再建
なし、財政再建なくして成長なしと何度も申し上げてまいりました。このバランスをとる
というやり方はこれからもしっかりと堅持をしていきたいと思います。
その前に、徹底的な無駄削減のための行政刷新を推進をしていく決意であります。加え
て、政府与党の間でまとめました税と社会保障の一体改革成案については、それを具体的
に実行をするべく、与党内での議論をさらに具体的な制度設計に向けて進めていくととも
に、与野党の協議を丁寧に進めさせていただきたいと考えております。
こうした厳しい状況の中、先ほど申し上げたとおり、震災からの復旧・復興。そして原
発。こういう問題からの、まず危機を乗り越えることと、今申し上げたような経済が今直
面をしているさまざまな危機を乗り越えること。これが私どもの内閣の当面の、そして最
優先の課題でございますけれども、こうした危機によって内向きになっているだけではだ
めだと考えています。今こそ海外に雄飛をし、世界の課題を解決し、人類の未来に貢献を
する高い志を持ちながら、海洋、宇宙への取り組み、あるいは豊かなふるさとをつくるた
めの取り組み、人材育成にフロンティアあり。こういう考え方のさまざまな政策の推進も
進めていきたいと考えています。
新興国が台頭し、世界は多極化しています。アジア太平洋を取り巻く安全保障環境は大
きく変動しつつあります。こうした中で、時代の求めに答える確かな外交、安全保障政策
を進めなければなりません。その際に、軸となるのは、私はやはり日米関係であると思い
ますし、その進化、発展を遂げていかなければならないと考えています。
昨晩もオバマ大統領と電話会談をさせていただきました。私のほうからは今申し上げた
ように、日米関係をより進化、発展をさせていくことが、アジア太平洋地域における平和
と安定と繁栄につながるという基本方針をお話をさせていただきました。国連総会に出席
をさせていただく予定でありますけれども、直接お目にかかった上で、こうした私どもの
基本的な考え方を明確にしっかりとお伝えをするところから、日米関係の信頼、そのスタ
ートを切っていきたいと思います。
中国とは戦略的な互恵関係を、これも発展をさせていくということが基本的な姿勢でご
ざいます。日中のみならず、日韓、日露など、近隣諸国とも良好な関係を築くべく、全力
を尽くしていきたいと思います。
なお、経済外交については、今まで通貨や国際金融という面で、私なりに取り組んでま
いりましたけれども、これからはより高いレベルの経済連携、あるいは資源外交等々の多
角的な経済外交にも積極的に取り組んでいきたいというふうに思います。特に元気なアジ
ア太平洋地域の、その元気を取り込んでいくことが、我が日本にとっては必要だと考えて
います。こうした観点からの経済外交の推進にも積極的に取り組んでいきたいというふう
に思います。
先ほど、国連総会についても多少言及させていただきました。今般の日本の原発災害経
験を教訓として、私どもが今取り込組んでいること、教訓としていることについても発信
をしていきたいと考えております。早急に主要国の首脳と信頼関係を築くべく、どんどん
とこうした海外の主要国との、皆さんとの交流も深めていきたいと考えております。
以上、私の基本的な当面の課題についての取り組みと、政治姿勢についてのご説明をさ
せていただきました。
もっと申し上げたいことはいっぱいありますけれども、理念としては、まさにこの国内
においては、何度もこれまで申し上げてまいりましたけれども、中間層の厚みがあったこ
とがこの日本の強み、底力でした。残念ながら被災地も含めて中間層からこぼれ落ちてし
まった人たちが戻れるかどうかが大事だと思います。そうした視点から、まさに国民生活
が第一という理念を堅持しながら、中間層の厚みがより増していくようなこの日本社会を
築いていきたいと思います。
そして、内政が安定して、政治が信頼をされて、一つ一つ課題を乗り越えていったとき
に、ようやく外交力の源泉が生まれてくるだろうと思います。めまぐるしく動く国際情勢
の中で、一国財政主義、一国経済主義に陥ってはなりません。そのことをしっかり、十分
留意をしながら、まず内政で安定した基盤をつくりながら、そして元気になった日本がこ
れまで以上に国際貢献ができるような、そういう体制を1日も早くつくれるように、全力
を尽くしていきたいということを付言をさせていただきまして、まずは私の冒頭のごあい
さつとさせていただきます。ありがとうございました。
【事務方】それでは、質疑に移ります。指名された方は、まず所属とお名前をおっしゃっ
てから質問をお願いいたします。それでは、どうぞ。
(以上その1)
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